ウェブから生まれた本。
ウェブから生まれた人の絆があって、
ウェブで発見され共鳴された才能のコラボもあって、
おもしろい試みから生まれた、紙の本。 


本屋さんに並ぶ小説って、
才能あふれる偉い作家さんが、
大きなかっこいい出版社の編集者さんとで
作ったのだろうなあと、無意識に思ってた。

とおい存在のひとたちが、特別な空間で、小説ってものをつくるんだろうなと、思ってた。

かっこいい装丁で、コピーライターが帯をつけちゃったりして、
そうやって、どんどん、「名作」「ベストセラー」が生まれていったりして。

そんな思い込みのなかにいた私は、
勉強のために読まなきゃならない本が
いつも部屋にやまづみになってるような状況のなかで、
書店で小説を買うということを、しばらく忘れていた。

そんなとき、ウェブを動きまわっていたら、出会ったのが、田川ミメイという作家だった。
当時、ゴザンスというサイトがあって、
残念ながら9月に停止してしまったのだけれど
そこで、いわば看板作家として書いていたのが彼女だった。
なんと、こんな気軽なスペースで、こんなおもしろいものが読めるのか、
と私は驚いた。

それ以来、その気軽に楽しめるサイト通いがはじまり、
しばらくぶりに触れる小説や詩に、どきどきしながら、
作家さんの顔が見えるアットホームな雰囲気にすっかりはまってしまった。
そして、自分も、Uというペンネームを使ってエッセイを書くようになった。

そのゴザンスが、閉鎖すると同時に、最後に生み出したのが、この本。

『ミ・メディア』には、田川ミメイの小説と、詩と、日常のエッセイのほかに
ウェブで書いていたからこそ、彼女とつながった数多くの優れた才能が、顔を出している。
本作りの様子も、彼女のブログ、sleepwalkingで紹介され、
これが、あの旦那さまが撮った写真ね、なんて楽しみながら、本をあそぶことができる。


人が、自ら筆をとって、写本をしなければ物語が読めなかったような時代があって、
やがて印刷機が誕生して、多くの人々に作品がいきわたるような時代がやってきて、
そしていま、
紙ではない媒体の果たす役割が、大きくなろうとしている。
きっと、あの本が読みたいわ、と思ったときには書店に行かずにネットからダウンロードすればいいという状況が、そう遠くない未来に来る。

そういう「今」に、
ウェブで育った作家が、
ウェブで書いていたからこその人脈で、
ひとつの紙の本を作るという試みは、
おもしろいものだろう。
やはり、紙ならではの、よさもあるし、
ウェブならではの、身軽さと近さもある。

ひとつのチャレンジングな本として、もしかしたら、歴史に残る、おもしろい本かもしれません。

そんな『ミ・メディア』は、残念ながら書店では買えません。
紙の本ですが、ネットのみの販売。
詳しくは、コチラをどうぞ。 

(2004/11/08/Mon)


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