どんな名医でも、自分で自分を解剖することはできない。
でも、もしそれができるとしたら。
たぶん「楽しむ」ということを知ってる名医だけが
喜々としながら冷静にかっさばいていくんじゃないかと思う。

「ミ・メディア」という本で、田川未明さんは
ご自身を見事にかっさばいてらっしゃる。
本書の「あとがき」にご自身で書かれているが、
最初はこの企画に「正直躊躇した」そうだ。
でも、不安とか懸念とかいうものさえ
モノをつくるチカラにしてしまっている。

「楽しむ」というのは、そういうことなのかもしれない。

ミメイ+メディア=「ミ・メディア」ということで
創られた本ではあるけれど、
そこに詰まっているのは
ミメイ+Dear=「ミメ・ディア」だった。
ミメイさんの親愛なるものが溢れている。
それは文芸であり、人との関わりであり、
どこからくるのかわからないほどの好奇心であり、
どことないやるせなさだったりする。

今年のミメイさんが、
どんな親愛なるものを描いてくれるのか
とても気になっている。
ペンでかっさばいてほしい。
まだ見せてない田川未明を。

(2005/01/05/Wed)


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