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暁に夢を見た。

月が、田んぼに埋まっていた。
ざくざくと耕された夜中の田んぼに。

盆のように平たくて丸い月は、
黄色く、明るく、
公園の砂場ほどに大きくて、
その丸い曲線の端だけを見せて、
静かにそっと横たわっていた。

てのひらで、すりすりと土をはらうと、
月は、ひんやりと冷たくて、
人肌くらいに柔らかく、
ゆっくり、ゆっくり、呼吸をしていた。
傷つけないよう、少しずつ、
少しずつ土をはらうと、
あらわれた部分は尖っていて、
三日月だと知ったのだった。


それだけの夢。

目覚めたとき、
湿った土の匂いがした。
ひんやりとすべらかな感触が
てのひらに薄く残っていた。

月は、田んぼに眠るのだろうか。